訪問介護は、入所や通所の各介護施設とは異なり、利用者宅を1件ずつ回り、個々の生活を尊重してその住み慣れた環境の中で出来るだけ自立した生活が送れるよう日常生活のサポートを図る。また、利用者は要介護度等の心身状態や生活状況も様々であることから、その利用者及び同居する家族がどのサービスを求めるかはそれぞれに異なるのだ。
その為、訪問先によって仕事内容自体や体力的な分量等が違うことも然ることながら、同じ仕事内容であっても利用者の性格や現場となる生活環境により仕事の仕方に配慮が必要となる。そして、その主な仕事内容には、掃除や洗濯、料理などの家事一般の他買い出しや入浴・食事・排泄・更衣介助など日常生活の全般に渡る。また、その雇用形態ではパート雇用が多く、勤務時間は1件あたり平均して1~2時間程度、一日の訪問件数や週の勤務回数などはそれぞれの都合に合わせて選択可能なところが殆どだ。
これらのことから、訪問介護の現場で現在女性が活躍する理由として、まず仕事内容の点に於いて家事一般をサービスの一部にし、多くの女性がその普段の生活で行い、また得意とする分野である。そのため、その能力を直ぐに現場で活かして働くことが出来る点が挙げられるのだ。
また、利用者の状態や生活環境に合わせて、日常の細やかな気配りや配慮が出来るという点でも全般的に女性向きの仕事である点が指摘される。そして、パート雇用が多数を占めることから、家事や育児などプライベートと仕事との両立を図り柔軟に働ける点が大きな理由の1つとなっている。